カットアップ機械
今回も過去に作ったプログラムを紹介しようと思う。
これはカットアップ機械というもので、ニュースサイトやウィキペディアからコピーしてきた文の断片をスクリプトに書き込んでおくと、ランダムに並べて出力する。長くなると読みずらいので、適当に「……」で区切るようにした。
カットアップというのが何かというと、とりあえずウィキペディアの説明を。
そして、今は亡きペヨトル工房の雑誌『WAVE』メタフィクション特集での武邑光裕による「バロウズノーツ」から引用すると
バロウズにとって選択される「切り繋ぎ(カットアップ)」を構成する素材は、あらゆる書物の断片、会話、新聞記事、広告などで、それらは偶然的契機による融合や、脈絡の無い接合によって具体化され、一般の固定化した言語統制による連想作用の突き崩しを促し、言語の文脈を構成するイメージ間に新たな連絡網を実現させる目的を担っていた。
だとか。
カットアップによって生み出される脈略の無い文章、ここにプログラムに文章を書かせることの意味があるのではないか。
つまり、日常的な意識で考えても出てこないフレーズに出会う可能性があるということである。バロウズの文章を読んだことがなくても、『裸のランチ』『ソフトマシーン』『爆発した切符』といったタイトルを眺めるだけで、その面白さの片鱗はうかがえるだろう。
プログラミングによる文章の自動生成を考える場合、いかに日本語として正しい文章にするかといった方向に考えが向きがちであるが、機械的な方法による文脈も文法も無視した接続の暴力性を重視する方向もある。そのことは、立ち返るべき原点として忘れないでおきたい。
本日の成果
午後3時内因性エンドルフィン分泌量をあげる肉体改造……かならず美しい語の断章のみが現存している……昨日の夜の時点で既に……あくまでもこれは純粋な、こんな話を聞いた……何重もの意味で膨大なリストを瞬間的に走査する