2021-01-01から1年間の記事一覧

ラヴクラフトとイドの怪物 ――あるいはクトゥルー神話のハムレットたち

ダニエル・ハラー監督がラヴクラフト原作を映画化した二作『襲い狂う呪い』『ダンウィッチの怪』がいずれもイドの怪物型のストーリーになっていた、ということを前回までで述べた。 だとすると、ラヴクラフト自身の作品におけるイドの怪物テーマはどうなって…

『ダンウィッチの怪』について

(ネタバレしています。) ダニエル・ハラー監督による、もう一つのラヴクラフト原作映画が『ダンウィッチの怪』。 怪しげな儀式が描かれたオープニングに続いて、ウイルバー・ウェイトリーが図書館ヘ『ネクロノミコン』の貸し出しを求めてやってくるところ…

『襲い狂う呪い』について

ダニエル・ハラー監督の『襲い狂う呪い』は主演がニック・アダムスだ。 このヘミングウェイの小説と同名の俳優は、東宝特撮映画『フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)』や『怪獣大戦争』にも出演している。 公開はどれも1965年で、当然、同じ顔。な…

『オカルト』について

今回はクトゥルー神話関連の日本映画では一番気に入っている『オカルト』について。 これは白石晃士監督作のフェイクドキュメンタリー。 『ほんとにあった!呪いのビデオ』『ノロイ』を経て、真面目にやってるんだけど笑える独特のノリがこの作品で完成の域…

『マウス・オブ・マッドネス』について

クトゥルー神話関連の映画について、好きな作品や気になることを書いていきたい。 もっとも私はホラー映画はどちらかというと苦手でスプラッターものなんかはあまり見ていない。まあ、見た範囲での話ということで。 まずは、ジョン・カーペンター監督の『マ…

文学フリマ東京33

2021年11月23日に開催される第三十三回文学フリマ東京に出店します。bunfree.netブースは【キー27】、サークル名「地下石版」です。 新刊はなし。 当日販売するのは、 クトゥルー神話関連ハードボイルド三作入り『何かが俺を呼んでいる/電気椅子奇譚/猫の…

『ネオノミコン』について

(ネタバレは一応の配慮はしていますが、いろいろ書いてるのでややバレ気味かもです。) アラン・ムーア作、ジェイセン・バロウズ画のネオノミコンを読んだ。 私は海外コミックには詳しくなくて、一時期メビウスの本を少し集めたぐらいなのだけれども、この…

文学フリマ東京32

2021年5月16日に開催されることになりました文学フリマ東京に出店します。 サークル名は「地下石版」、ブースは【カ‐21】です。bunfree.net で、新刊も出します。 『何かが俺を呼んでいる/電気椅子奇譚/猫の墓場』というクトゥルー神話関連の怪奇ハードボ…